2017年08月07日

ぱく先生:(ジャズ)ボーカリストとの共演について


JAZZ PIANIST ぱくよんせ Park Yeongse様のブログより


〇(ジャズ)ボーカリストとの共演について〇

17/08/07


昔ジャムセッションに行き始めた頃(といってもぼくは今日までセッションに行ったのが数えるくらいしかないが)、楽器奏者たちが歌伴(あえてこの表現を使う)を嫌がるという現象によく遭遇した。そのときは初心者だったので意味がわからなかったのだが、その後わかってきたのはどうやら歌伴だと好き勝手に弾けないとか大きな音が出せないとかそういう理由で嫌がっていたらしい。

実に不思議な話だと思う。その「好き勝手に弾けない」とか「大きな音が出せない」という言葉が出てくる時点でもうアンサンブルという視点が抜け落ちているのだ。ボーカリストを引き立てて、そしてたまにはボーカリストに音で提案して、またボーカリストが音で提案してくる、そういうところに本当の面白さがあるはずなのに。たとえ曲自体が2分で終わったとしてもそれは2分で選び抜かれた音だけを出す喜びがあるはずだ。

ピアニストを例に出してもあのキースジャレットだって16歳から始めたボーカリストとの共演の仕事で大切なことをたくさん学んだと言っているしハービーハンコックのここ数作はたくさんのボーカリストとの共演が多い。ハービーのそれらの作品は震えるほどに素晴らしい。そしてチックコリアがワークショップで一瞬だけ聴かせてくれたボーカリストとの共演はごくごくシンプルな伴奏ながら極めて刺激に満ちたものだった(彼は若いころにボーカル入りの作品を作っている)。

もちろん実力差があって対等に音楽に取り組めないということはあるかもしれない。でもそれは楽器奏者が相手であっても同じことである。ボーカリストだからどうこうという話ではない。

人間の声というのはどの楽器も勝てない最高の魅力がある。だからこそぼくはボーカリストとの共演が大好きだしそういうぼくの気持ちやそういう気持ちに基づく音を理解してくれるボーカリストがまたぼくを呼んでくれるのだと思う。

若いミュージシャンに知ってほしいのだけど、ボーカリストとの共演、特に優れたボーカリストとの共演は宝物のような体験だ。人間の声でしか表現できない世界と楽器で対峙するというのはより一層覚悟のいることだ。でもその覚悟でもって本気で向き合ったときにしか開かれない世界がある。ボーカリストとの共演だからといって手を抜いたりするようなミュージシャンにならないでほしい。

でもそれはもちろんボーカリストも同じだ。共演者を本気にさせる歌を歌わないといけない。でもそれでもわかってくれないような連中とは共演する必要がない。優れた歌唱を理解しない連中などとは付き合う必要がないのだ。

そんなぼくは今ジョニミッチェルの昔の作品を聴いている。若き日のマイケルブレッカー、ジャコパストリアス、ライルメイズ、パットメセニーたちがジョニのために本気で弾いている。

もっと昔の作品だとエラ&ルイがある。あのリズムセクションの完璧さよ!

サラボーンのバックをつとめているミュージシャンは?ダイアンリーブスのバンドメンバーは?全て最高である。そういうことだ。


http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=parkyeongse&articleId=12299356761&frm_src=article_articleList




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歌うにせよ、演奏するにせよ、ぱく先生がおっしゃることを考えている人は

和歌山にどんだけ居るんだろう?


『ミュージシャン』などと軽々しく口に出したり、文字で表現する。

場合によっては『ミュージシャン』を飛び越して『アーティスト』などと表現するのが大好きな和歌山の人たち。


音楽する人をミュージシャンとするならば


が敬愛するベテランアルトサックス奏者の言葉を

おまゐらに投げつけてやるわ。


【音楽、ナメんなよ】



彼の演奏は

8/27(日) 13時開演 @シェルター
1000円


和歌山ジャズプレイヤーズ協会定期演奏会

でご覧になれます。





文責 キース





Posted by キ-ス・ジャレッ子 at 12:51